Ebilaboのブログ

これからの人生で為になる著名人のお話しの文字起こしアーカイブです。

飛行機はVIP席で飛ぶ - 西野亮廣

西野亮廣 エンタメ研究所ラジオ 

2019年11月27日に『西野亮廣エンタメ研究所』Voicyで収録されたお話の文字起こし(整文)です。

 


飛行機はVIPで飛ぶ(by西野亮廣エンタメ研究所)

 

あらゆるビジネスでVIP席を設計しろ


今朝は、“飛行機はVIPで飛ぶ”
というお話をしたいと思います。

飛行機の運行に関わる売り上げの8割以上は
ファーストクラス、ビジネスクラスといった
プレミアシートになっているんですね。

つまるところ、
エコノミークラスの売上では飛行機は飛べない。
赤字になるわけですね。
「VIP席のみなさんあざーっす!」
っていうビジネスモデル。

飛行機に限らず様々なところで適用されていて、
毎年お台場で開催されている『ULTRA JAPAN』。
普通席のほかにVIP席があって、
チケット代が3万円くらいだったと思います。

これのさらに上にはVVIP席っていうのがあって、
こちらはチケット代が50万円前後だったと思うなぁ。
詳しくはわからないので数字間違ってたらごめんなさい。
ここも飛行機と同様ですね。

普通席の売上だけでは『ULTRA JAPAN』ってまわせないんですよ。
VIPやVVIPの人たちがたくさんお金を払ってくれているから、
普通席の値段を下げることができている、と。

僕のVoicyもですね、まさにそれで。
ひとりのVIPリスナーが、提供として1万円、
1万5000円を払ってくれているから、
それ以外の人たちが無料で視聴することができている。

今日でいうと、
ガムテープの人チャーリーさん
が提供してくれているおかげで、無料で配信することができている。
くれぐれも言っておきますが、
このVoicyの売上はすべて支援にまわさせていただいております。
被災地支援なのか、海外のスラム街の子供たちに絵本を送る
って活動にすべてまわさせていただいております。

最初、提供枠を100人募集したんですね。
で、もう少し先の話になりますが、100人が終われば、次は
「今日からの売上は、新作絵本の制作にまわさせていただきます」
っていうターンがくる予定です。またお知らせします。

いずれにせよ、
わたくしのVoicyはひとりのVIPリスナーが
お金を払ってくださっているおかげで
それ以外の方は無料で視聴することができている、と。

VIPでまわすというビジネスモデルはみんなにやさしいモデルなんですが、
これが以外と別の分野で適用されてなかったりするんですね。
たとえば、マンガ『ONE PIECE』は、
中学生であろうと、上場企業の社長であろうと、
1冊440円で統一されている。

ここにさ、「作画の様子、動画もつけます」
って4万4000円のVIP本を作れば、
熱烈なONE PIECEファンの社長は買うでしょうし、
VIP本が1冊売れれば、中学生100人に
ONE PIECEを無料配布することができる。

VIPの値段設定のやり方次第でこういうことが可能になってくる。

絵本『えんとつ町のプペル』は完全にこれをやっていて、
VoicyのVIPの売上で絵本を買って、
スラム街の子供たちに寄贈しているんですね。
Voicyの提供枠は1回1万円ですから、
1回の放送で5冊寄贈できているわけです。

映画であろうが、八百屋さんであろうが、
世の中にある様々なビジネスが取りこぼしているのはこれで。
お金をだしたいVIPがいるのに、VIP席をもうけていない。

絵本にVIP席がつくれたんですよ。
えんとつ町のプペル』にVIP席を作れたんだから、
ちょっと頭をひねれば、あらゆるビジネスモデルに適用できると思います。
で、VIPの恩恵を受けた人たちの中に、未来のVIPが眠っているので。

つまり、
えんとつ町のプペル』をもらった人が
大人になってお金に余裕ができた時に、
「次は自分がVIPとしてプレゼントする側にまわろう」って。

その循環を作り出してあげると、みんながしあわせになると思います。

まあ、結論ですね、

あらゆるビジネスでVIPモデルは作れるにも関わらず
マンガの値段を一冊440円で統一してしまってるのどうなの?

っていう話です。

お豆腐一丁何百円で統一しているけど、ほんとにそれでいいのか?
そこになにか付け加えたら、セレブはそれを1万円で買うかもしれない。
そのお金で誰かに、お金が余裕がない人に、安い値段とか無料で提供できる。

その循環をつくることが可能で、ビジネスを設計する人はこれを
「飛行機だけのものだと思ってないか?」って話ですね。

みなさんがやられているお仕事で、このモデルは使えるかどうか
と考えてみてください。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。
西野亮廣でした。


*内容・文章に合わせて加筆修正を加えています。

 

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